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ナコンパノムの街では

  広大な面積を占める東北タイをイサーンと云う、今回訪れている町はすべてイサーンであって、タイの中では最も貧しい地方と云われている。表には出ないが潜在的に蔑視されているラオス系の人たちが数多く定着していている。

 イサーンは耕作には向かない塩害地なので、形ばかりの農業はしているが、現金収入は望めない。 したがってバンコクへ出稼ぎに出て、男性は建設現場かタクシーの運転手、女性はマッサージやホステスを生業にしている人が多い。

 そんな人たちが、子供達をお爺さん、お婆さんに託し出稼ぎに出るのだが、辛いだろうが暗さは感じさせない。 タイの女性はアルコールを殆どたしなまないが、イサーンの女性はよく飲むし、モーラムという民族音楽を歌いながら踊ることが大好きである。

 ムクダハーンから、北へバスで3時間ほど行くと、ナコンパノムの町がある。ここまで来ればイサーンでも北東の端に位置し、観光客もまれにしか見ることはない。ただ一つ近代的と言い得るのは小さな空港があって、一日2便くらいはタイ航空が飛来する。

 今回の旅をしているコースは、メコン河流域を北上しているのだが、メコン河が長い年月肥沃な土を運んでくるせいか、他のイサーンの町や村より、比較的生活が恵まれている町である。

Photo_2   ムクダハーンとナコンパノムの間に、タートパノムと言う町があって、折悪しく今の時期は祭りが7日7晩通して行われている最中だった。

 この町の有名なワットプラパートパノムは変わったお寺で、メコン河を隔ててラオスを見渡している。つまりラオスのための寺院で、そのためラオスからの参拝客が数多く詰めかけている。

 その祭りのあおりを受けて、良質のホテルはどこも満室なので、ナコンパノムの中心にある「ナコンパノムホテル」という老舗のホテルに泊まることにした。

 ガイドブックが町一番の老舗ホテルと書けば格好はいいが、やはり老舗とは疲れ果てたボロホテルだった。 ガイドブックは無責任だから裏を読まないとこんな目に遭うのだ。

Photo_4  まず市場をのぞいてみたが、取り立てて珍しいものはなく、ムクダハーンからずっと一緒だったおばさんが、もう市場で働いていた。

食欲はあまりないが、果物だけは幾らでも食べられる。

 タイ航空のオフィスへ行って、明日のバンコク行きのチケットを聞いてみると満席だった。

 飛行機もホテルも予約をしないで、行き当たりばったり臨機応変で、旅は面白い。しかたなくバスでさらに3時間行ったサコンナコンという町からの飛行機を尋ねてみたが、ここからも満席だそうだ。 ま、慌てないでゆっくり考えましょう。

 食事を抜くと体力が極端に落ちるので、近くの食堂へ入った。すると調理場に日本語が話せるという女性がいて、店員が早速呼んで来た。なるほど話しは十分出来たが、その女性は2年間ほど日本で暮らしてタイへ帰国したところだった。

 話の中で女性いわく 「浦和市の××親分を知っていますか」 。これで彼女が日本でたどった生活が、どのようなものかが想像できた。やはり日本人としては、困りますねえ。

 今日もマッサージへ行くことにして、近くのマッサージ屋へ出かけた。この店は何の表示もなく、ただ粗末な薄暗い建物だけなので、外国人は誰もマッサージ屋とは気づかない。 
これも昔に来たとき、迷いに迷って探し出した財産である。 

 2時間を休み無く揉んでくれたおばさんの腕は、なかなか年季が入っていて疲れは十分癒された。このマッサージの料金は日本円でわずか2時間 450円、日本との格差に、またバンコクとの格差に驚くばかりであった。もうしわけないことです。

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