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勉強するとすれば

 ご機嫌いかがですか? お逢いできて嬉しいです。 などの会話は出来るにこしたことはないが、出来なくても特に困ることではない。ツアーでなく数人の旅では、食べ物の名前は知っていた方がよいが、同行者に少し分かる人がいれば、旅はより円滑にいく。

 一人旅をするようになった最初の頃、数字が理解できないと致命的だと思うことが、毎日おこって途方にくれたものである。ホテルに宿泊するにも、乗り物に乗るにも、買い物をしても、必ず数字のお化けがついて回る。

 1~10までの数字を覚えても、更にその上があり、指をおってみても数え切れない。バンコクでの買い物なら、敵も心得ていて、電卓を持ってきてくれるので何とかなるが、田舎の食堂のオバチャン達ではそうもいかない。

 何度も思い知らされた私は、数字を何とか覚えようと心がけた。覚えるより忘れる事の方が早いのだが、これだけはと打ち込んでみた。

 結果は認知症の兆しが現れたのか、やはりすぐに忘れてしまう。そして机上の勉強で覚えた数字は、現地ではなかなか対応できない事を思い知らされて、悄然と帰国することが続いた。

 ところが田舎の寒村で泊まったり、屋台や食堂で食事をするとき、苦しみながら思い出して呟いてみると通用することもあるではないか。 おっ出来た。 こんな時に覚えた言葉や数字は、まず忘れることはない。かくして数字のお化けは私から次第に遠ざかっていった。

 その数字もレパートリーが広がって、10万以下であれば聞き取ることが出来、相手にも伝えることが出来るようになった。 それ以上の数字は、私には関係のない世界なので、覚える気はさらさらない。しかしやはり数字は生活必需品で、この必需品があってこそ旅が成立することがよくわかった。

 食事の注文に悩み、数字に悩んだ初期の頃が今では懐かしい思いでとなったが、こんな悩みなど意に介さず、悠々と行動される方もいらっしゃる。ある時一緒のグループの女性が、タイスキさん2時間ほど自分で動いてもいい? と云われて一人で大丈夫ですか。すると口がありますから大丈夫でしょう。と答えて外出された。

 タイの国に来たのは初めて、タイ語はどう贔屓目に見ても、全く出来ない女性である。言葉なんて分からなくても、同じ地球の上だ、と行動できる特殊な才能ってあるものだ。

 多少の不安を覚えて待つこと1時間30分、彼女は近くの美容院で見違えるように変身してホテルに帰ってきたのである。彼女には日本語を、世界の共通語に昇格させる能力が備わっていたのだ。

 グループで旅して、みんなでお土産を買うために、今はなきナライパンに出かけた。この中の女性の買い物を見て驚かされた。商品の値段を電卓で確かめて500バーツの言い値を確認すると、すぐに100バーツと電卓を打ち直して店員に渡した。しばらく日本語でやりとりして店員は250バーツまで下げた。彼女は2つ買うから300バーツにしなさいよ。

 見ていた私も店員も、どうなっているのかよく分からない状態で、店員はOKと云ってしまった。後でよく考えると500バーツの品物を、150バーツまで値切ってしまったことになるのだ。これがタイ語でなく日本語で出来る女性は、さすが日頃鍛えぬかれた日本の主婦である。

 タイへ旅するために、勉強してみようと思われたら、まず数字を理解することと、どうしても自分が食べたい料理の名前を、覚えることをお薦めしたい。

 

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