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決して悪気ではないのですが

 夕食に立ち寄った食堂で、「この店のお勧めの料理を三品作ってください」 とタイ語で書かれたメモをオバサンに渡したところ、勇んで出ていったオバサンがなかなか帰ってこない。 

 そんな時、女主人とシェフらしき男性が現れて、ご注文は何でしょうか?  ちょっと待て、注文した料理は 「お勧めの料理を三品」 だ。 だから何を注文したのか分からない。

 それでも事情を説明しようと、メモを示し身振りも交えて奮闘するが、こんなデリケートな会話が出来るわけもなく、お互いに疲れて会話は絶えてしまった。諦めて気まずくビールだけを飲んで時は流れた。 あのオバサンどこへ消えてしまったのだろう。

 そんな時、注文をしたオバサンが颯爽と帰ってきたのであった。
やった! これですべて解決する。 と思ってよく見ると彼女の手にはビニール袋が下げられ、空芯菜とフクロタケ、名も知らぬ野菜の三点ほどが入っていた。そしてオバサンは、にこにこしながら立っていた。

 おいおいオバサン、頼んだのはお勧めの料理3品で、食材を3種類頼んだのではないよ。勘違いならよいが、タイ文字がよく読めないのなら悪いことをしたなあ。
事情が分かってみんなが大笑いしたが、オバサンも一緒に大口開けて笑っていたから安心した。無邪気なオバサンであった。

 私たちが改めて注文したのは、焼きイカのサラダ、五目野菜炒め、魚のすり身揚げ、海老の焼きめしで、それからビールも うまかったあ。
 メモなんか使わずに最初からすんなり口頭で、注文したらよかったと、しっかり反省した。 その後は店客ともども、和気藹々の夕食のひとときが持てたからまずはよかった。

 夕食が終わって夜が更けて、空を見上げると日本では見かけない無数の星達が瞬いている。 二人は遠く離れた南国で、何思うことなく星を見上げる幸せをかみしめながら、ホテルにたどり着いた。 遠くには、まだ馬のひずめの音の残る睦月の夜であった。

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コメント

タイスキ様、こんにちは

この間、久しぶりに伏見稲荷大社に

家族を連れて、いってまいりました

タイスキ様は、このあたりにお住まいなのかなぁ~と考えてました

タイの小さな食堂での一コマ、微笑ましいどすね^^

異国ならではの、愉しいお話ですね^^

投稿: 高兄 | 2010年10月 2日 (土) 06時29分

 高兄さん、長い間の酷暑が続き、もう今年の秋は来ないのではないか、と心配させていましたが、季節の移ろいは正直なもので、朝夕には秋の気配が密やかに忍び寄って来るようになりました。

 秋の稲荷大社も秋色漂い、ご家族ともども散歩されるのは楽しかったでしょう。
 私は京阪電車宇治線の沿線に、古い居を構え、毎日あれこれさも忙しそうな格好だけを演出して過ごしています。

 思い焦がれていたタイへの旅も、急がなくてもいい、11月にでも出かけるか。など考えるようになったのも、年のせいであろうと、自分ながら苦笑しています。

投稿: タイスキおじさん | 2010年10月 3日 (日) 06時53分

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