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VIPバスは走り始めた

国歌の演奏が終わると同時に、我々のバスはゆっくりと走り始め、車掌はさっそく ケーキ、クッキー、コーヒー、ミネラルウォーター、昼食券を配ってくれた。
 
 私の席の近くは、前に中国系の金持ちらしい爺様、通路を隔てた隣の席には20代の娘さんが後ろの母親と大声ではしゃいでいる。

 私の後ろの席には、病気の妹を実家へ連れ帰るお姉さん。
私はシートを倒したまま動けない、痩せて顔色の悪い20代の妹さんを見て、彼女はバンコクで悪性感染症を発症し、姉さんが連れて帰るのだと確信した。 数年でもいいから生きながらえて欲しいものだ。

 バスはバンコクを離れて、北へ北へと走り続ける。車窓には田圃が次々と後方に流れ、二毛作なので稲刈りと田植えが交互に見られる。
沢山の人が横一線に並んで植え付けている姿などは昔の日本そっくりだ。

 子どもの頃、田舎で見慣れた光景だが京都に出てきて45年、昔を偲ぶ思いも錆び付いて、改めて近くで見ると、とても新鮮に見える。
 
 沼地には、色とりどりの花に混じって蓮の花が咲き乱れ、美味しそうに丸々と太った水牛が泥に浸かって遊んでいる。
 行けども行けども同じような風景が続き、朝が早かったので睡魔が襲い始めた。こればかりは瞼を叱咤激励しても抗しがたい。

 4時間が経過し、眠りから覚めた時バスは寂れた休憩所で停車した。おやつの買い出しと昼食だそうな。
食事券を渡すとオバサンが、お皿にご飯をドバッと盛ってくれ、その上からタイのカレーをザッとかける。 そんなに入れても食べきれない。それでなくともインディカ米のご飯がまずいのだ。

 だが上品ぶっても、ここで何かを食べないと、あとで必ず後悔をすることになる。
ご飯はご遠慮願って、奥に置かれた数種類のおかずから、美味しそうな物だけを選んでいただくことにした。

 気が付くとテーブルの上には小さな赤蟻が行列を作って、食べ残したお皿へ急いでいた。
行列が一本だけではなかったので、気になってつぶしていたら、指を噛まれてしまった。
小さな蟻でもタイの蟻は強いのだ。

 食事を終えてリポビタンDを買ってみると、日本の味と全く同じだったが、値段が違う。
なんと一本が日本円で34円だ。 大正製薬さん瓶の色もマークも同じで、会社名もちゃんと書いてありまっせ。 これからリポビタンDを飲むならタイだけにしよう。
 

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パヤオ」カテゴリの記事

コメント

タイスキ様、こんにちは

今回のタイ田舎紀行も愉しく拝読しています^^

タイスキ様の文章は、いつも情景が浮かんできますね^^

私blogながら、タイスキ様のお膝元

伏見稲荷大社を記事UPしました

お時間あれば、覗いてみてください

投稿: 高兄 | 2010年10月 8日 (金) 18時33分

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