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ピサヌロークの街

 ピサヌロークという街の名前は、タイらしくない名前のように思うのだが、バンコクとチェンマイのおよそ中間に位置し、有名なスコータイ遺跡にいく玄関口に当たる街である。
 
 街の中央にはにはナーン川が流れ、その川には水上生活をしている人たちの家々が数多く浮かぶ、夕暮れも近い時刻などに散歩をすると、学校帰りの子供達が細い渡し板を上手に渡り、家々をゆらしながら屋内に消えていく。

 こんなのどかな田舎の町ではあるが、バスはもとより国鉄北本線の駅もあり、その上タイ航空の飛行機も飛んでくる。この街から西へ向かえばスコータイからターク、もう少し進むとメーソットというビルマとの国境である。

 また北へ進路をとればチェンマイやチェンライに達し、ビルマやラオスに接している。そして東へ行けば天険の山脈を越えて東北タイへ抜けられる。このように東西南北へ進むことが出来る要衝の地なのだ。

 夕日に照らされたナーンの川面は、キラキラと輝きまことにのどかである。その川に沿った通りが薄暗くなる頃、あたり一帯が屋台となって、街の人や旅人を誘ってくれる。とても風情があって、食欲をかき立ててくれる。

 この屋台通りの入り口には大きな看板があって、その看板には日本語で「空飛ぶ野菜炒め」と書かれていた。野菜炒めを注文すると空から皿に乗って飛んでくるらしい。誰が書いたか知らないが、せっかくの旅の気分を台無しにしているように思えて気に入らない。

 適当な夕食を簡単に食べて、いったん近くにあるパイリンホテルに引き返した。ホテルに帰って驚いた。 ロビーには20人くらいの女子高生が制服姿で立っていて、私がロビーに立つと一斉に「サワディーカー」 お、なんだなんだ。

 ああ驚いた。彼女たちはこのホテルで体験学習をしている高校生なのだ。そして彼女たちは何人かづつに別れて各階に配置されていった。今回パイリンホテルに宿を取ったのは、このホテルからナーン川が一望出来るからだったが、暗い川面を眺めてみると水上家屋やレストランの明かりが、優しく揺れて幻想的であった。

 年を重ねると朝の目覚めが早いので、まだ暗い4時頃からそっと散歩にでかけようとした。何と各階の廊下には数人ずつの女子高生が立っていて「サワディーカー」。ロビーに降りても、また「サワディーカー」だもの。全く落ち着かない。

 幾ら実習といえども夜を徹してまでやって大丈夫か。日本の高校が同じ事をやったら、いっぺんに親から人権蹂躙と抗議が来るぞ。

 駅の近くまで歩くと、何と煌々とした裸電球に照らされた道路が出現し、その道路には
名も知れぬ野菜、取れたての魚類の数々、美味しそうな果物、鶏や豚の肉、亀や虫などが山積みにになって売られている。これは朝食後にもう一度来なければならぬ。

 ホテルに帰って朝食を済ませ、興奮冷めやらず、7時30分頃にもう一度駆けつけてみると、夢か幻か朝市は跡形もなく消え失せて、車やソンテウが行き交う普通の道路であった。

 霊界から出た悪魔のように、光と共に消え失せた朝の市場は、チェンライの朝市と同じ形態であった。

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