ミャンマーのタチレク

いつもと変わらぬタチレク

  ここのイミグレーションは、入国形式が何度も変動するので気をつけねばならない。
ある時は両国で発砲事件が起こって、出入国が停止になるかと思えば、パスポートのコピーにスタンプを押して入国を認める時もある。

 しかし最近は正規に近い出入国となっているようだ。そこでどのようにして、入国が行われているか確かめるために寄ってみた。

 タイ側の係官にパスポートを提示して、ノービザと告げて様子をみてみると、あっと云う間にパスポートに添付されていた帰国用の出国書類をはぎとられ、同時にパスポートには出国のスタンプが押されてしまった。
タイに入国した翌日には早くも出国し、弾みでミャンマーに入国してしまうことになったのだ。

 入国手続き料を 800 円ほど払って、ミャンマー1日滞在の仮ビザが発給されたのだ。 ということで、図らずもミャンマーの市場を一回りすることになった。

 しかし、買いたいような物はなし、物乞いは多い。押し売りも多い。早くタイへ帰りたい。
次から次へと現れる押し売りも、日本人と察するとバイアグラ安いよ と口を揃える。よほど日本人はよく買うらしい。

 ミャンマーから出るときはいいのだが、タイ側に再入国するときにイミグレーションカードを書かねばならない。

 書くためには、ホテル名や入国手段などを記載しなければならず、英語なのでスペルなど誤記を書き連ねる事になった。
 汗をかきかき提出したら、笑いながらタイへの入国スタンプを景気よくポンと押してくれた。要するにこの程度しか書けない輩が多いと言うことだろう。少々の間違いは気にしないのである。

 繰り言になるが、日本を出国してタイに入国、翌日にはタイを出てミャンマーに入国して数時間でタイに再入国した。いい歳をして荒技というか無節操というか、自分でもあきれかえる行動であった。

 メーサイからチェンライへ帰り数日を過ごした後、VIPではなく身の丈にあったエアコンバスで再びチェンマイへ向かった。

 

 

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写真が写したくなるような

  物乞いや押し売りを後ろに従えての市場の見学は、興味はある物の何とも鬱陶しい。
声を荒げてタイ語で要らないと云ってみたら、次第にその数が少なくなっていった。

 気を取り直して、更に進むと少数民族らしい人たちが多くなって、山で作ってきた物などを売って
いた。
 そこで目にとまった20才台後半と見える女性が、ブリキで作った誰もが買わないような玩具を、
小さな台の上に並べていた。
 頬にタナカを白く塗って、笑顔の美しい女性であった。その横には小さな子どもが二人並んでいて、この頬にも無造作に白いタナカが塗りたくられていて何とも可愛い。

 許しを得て、笑顔の美しい魅力的な奥さんの写真と、子どもの写真を撮すことができた。
考えてみれば、日本で美しく魅力的だからと云って、写真の撮影を申し出ることなんて、あり得ることではない。
 旅では自分を見失っているのか、それとも厚かましくなっているのか。はたまた正直になっているのか。  日本ではからっきし意気地がないんだがなあ。

 ミャンマーへ入国してたった4時間、見るべき物無し、買うべき物無し、虎の皮と魅力的な女性の写真を撮っただけだ。
 衝動的に入国して見ただけ、パスポート上では、出国、入国、出国、入国とスタンプは4個も押されていた。好奇心だけで動いたミャンマーであった。

 その後、バスターミナルまで行って、チェンライへのバスに乗ったが、閉まらない窓からは暴風のような風が吹き込むので、暑さはまったく感じなかった。 

 「マンゴーが空から降ってくる」の著者である、水野 潮氏はこの近くの村に家がある。
水野氏はタイの美人女性と結婚して永住され、奥さんと子どもさんとお婆さんと暮らされている。   この田舎の生活の様子を出版されたものだが、田舎の村の暮らしにも家庭の中でも完全に
とけ込まれていて、読んでみるととても楽しい。羨ましい限りである。

 

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ミャンマーへ入国してみると

  国境の橋を渡るとミャンマーのイミグレーションが待っていた。 ここで2枚のコピーと5ドルの
入国料を、支払った。 ドルが無い場合はタイのバーツで換算して支払うことも可能だ。
私は万一を思って5ドルを持参していたのだが、入念に調べて角に小さなシワがあると、受け取りを拒否され、タイバーツで支払った。

 バーツ札のシワはあってもかまわないところをみると、ドル紙幣は国として最も大切な通貨なのだろう。
 このビザなしの入国は一日限定で、ミャンマー国内はイミグレーションから5キロメートルしか移動できないシステムである。

 入国するやいなや、お粗末なトゥクトゥクや人力車、物売りなどが、圧倒的な力でワッと押し寄せてくる。 気の弱い私はおどおどと逃げる隙間を探していた。

 このタチレクと呼ばれる街の右側一帯が市場になっているが、通常の食材などを売っている市場ではなくて、衣料品やお土産にもならない雑貨ばかりで、物の役にたいそうな物は少ない。
 それぞれの小道では密輸品、模造品をさも高級品と見せかけて歩く売り子が、五月蠅いほど存在する。
 百円ライターを売る男性、ドライバーを一本ずつ売るやつ、煙草の「マールボロ」1カートンが400円
ウイスキーのジョニーウォーカーが300円とめちゃくちゃ安い。

 タイ人の偽物屋が買いに来て、バンコクの繁華街であるパッポンあたりで、声を張り上げて「ウイスキー、煙草が安いよ。ローレックスの偽物が500円」などと、見ているだけで楽しくなるような販売をする品々である。

 街の角で、取れたてのような虎の皮が3枚乾かしてあり、その横では立派な象の牙も十数本売られていた。 カメラを向けると慌てて撮すなと云ってきたが、遅い!撮した後じゃ。
 こんな連中でもワシントン条約は知っているらしい。

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