タイ古式マッサージ

タイ人の行くマッサージ店

 これほどまでに古式マッサージの店へ行っているのに、タイ人の客と一緒になったことはほとんどない。 タイ人はマッサージがあまり好きではないのか、と不思議に思っていた。
ところが、ある本にタイ人も古式マッサージが大好きと書いてあって、どこか人知れず密かに楽しんでいるらしい。

 そしてその場所は、どうもタマサート大学の近辺にたくさんあるそうだ。好奇心の旺盛な野次馬おじさんは、さっそく出かけることにした。

 チャオプラヤエクスプレスボートをターチャン桟橋で降りて、雨の中をしばらく歩くと王宮の北側にタマサート大学があった。大学の西と北の道を入念に探してみたが、マッサージの看板はおろか、店らしいところは皆無であった。
  
 なんだガセネタか、雨の中を出てきたのに簡単には引き下がれないぞ。とさらに歩き続け探して回った。雑貨屋で聞き、薬屋で聞いてみた。 と、汚い薬屋のオヤジが黙って二階を指さした。

 どうしよう。 こんな薄汚い薬屋の二階でマッサージをやっているのだろうか。私は二の足を踏んで考え込んだ。  えーい男は度胸やってみるか。しかし男でも老人だしなあ。
優柔不断では何も出来ない。 やる!

 改めてヌアペンボラーン?(古式マッサージ?)と確認するとオヤジは黙ってうなずいた。
濡れた傘をその辺に放り出して、おそるおそる汚い階段を上がっていくと、綺麗ではない大きな部屋にマットが3枚置かれていて、歳を取りすぎたおばちゃん4人が、テレビを見ながら話し込んでいた。

 やはり止めようかとも考えたが、逃げる気力もなくマットレスで横になった。ここでのマッサージは勇気と覚悟がないと受けられない。しかし無愛想なおばちゃんのマッサージは、予想に反してかなりのものであった。でもまた来ようとは思わない。

 物は試しと、まだ好奇心の残っている私の探訪は、2時間のマッサージ500円で終わったが、技術の確かな年季の入ったおばちゃんのマッサージが、こんな価格で受けられることはお買い得だろう。 ちなみに日本の観光客がツアーで行くマッサージは、安くともチップ込みで2時間で1350円くらいはする。

  つまりタイ人専用のこんな店が、あちこちにかなりあって、マッサージの第一線を退いた女性達が小遣い稼ぎに気楽に働いているようだ。こんな場所でタイのおじさん達は、のんびり四方山話をしながら寛いでいたのだ。

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イサーンディスコの夜

 とにかく今晩はワンちゃんの慰める会をもつのでタイスキさんも来い。と強いお誘いがかかり、やむなく参加することにした。
 分乗したタクシーの着いたところは、トンブリー地区のイサーンディスコだった。

 屋内には数多くのテーブルが並び正面ステージでは、楽団が大音響でモーラム(東北タイ特有の民謡)を演奏し、女性歌手が歌いダンサーが踊っていた。さながら東北タイ王国に、さまよい込んだかのようであった。

  ノイちゃんを中心とする中年女性の一群に、遅れてきた4人を加えて、8人の強力おばはん軍団がステージ前のテーブル3卓を占拠し、大宴会を開く準備は整った。

 タイの女性は普通アルコールはたしなまないのだが、彼女たちに対してはその尺度はまったく無縁であった。 テーブルにはイサーン料理が次々と運ばれて、ビールの空瓶も林立し始めた。

  日本のおばはんのクレームが原因で解雇までされたのだから、恨み言の矛先が日本人である私にも、向かってくるだろうと覚悟をしていたが、まったくの杞憂であった。
彼女たちの慰めの言葉は、運が悪かった。オーナーやマネージャーの心が悪い。に集中していた。

 隣の人の声さえも、大音響のモーラムは打ち消してしまうが、彼女たちは負けずに泣き、笑い、叫びながら食べて飲んでいる。
 今晩は慰める会のはずだったが、それすら楽しむ一時にしてしまっている。まったく楽天的で陽気なタイ人達である。
 
 歌手もダンサーも、楽団員もまた客も、イサーンの人ばかりだから「同郷」の気安さと連帯感があって、雰囲気はすばらしく盛り上がっている。

 演奏されているモーラムは、どの曲も同じように聞こえるのだが、3曲か4曲目くらい毎に、客が一斉に立ち上がり、男も女もステージ前や通路で踊り出す。
 年齢に関係なく全員が、踊りに陶酔するというか踊り狂うというか、その姿を私は唖然として眺め続けていたのであった。

 日本人にも踊り好きの人はいるのだが、この東北タイ (イサーン) の人達は、楽天的な民族の血を色濃く祖先から受け継いでいるに相違ない。 

 午前1時が過ぎた。老体のおじさんは眠さに耐えかねて、引き上げることにした。彼女たちは朝まで踊っているそうだが、マッサージ中に居眠りなどして解雇されるなよ。
一緒に行った中で2人は顔も知らないおばさんであったが、親切で気のいいおばさんばかりで、楽しい夜だった。

  私は心地よい夜風に当たりながら、、ホテルまでトゥクトゥクに乗って帰り着いた。ご機嫌である。

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同胞ながら 嫌らしい女

 イサーンの赤い 大地は、塩分をたくさん含むので、農業には適さず不毛の地である。 したがって、現金収入を得るため、続々とバンコクを目指すことになる。出稼ぎの男性は建築現場かタクシーの運転手、女性はマッサージ師として働くのが定番らしい。

 当時私はパッポンやタニヤなどのある、シーロム、スリウォンなどの繁華街の近くのホテルを定宿にしていた。その近くにはタワナラマダ(現タワナバンコックホテル)やモンテインホテルなどがあった。

 そのモンテインホテルが、スリウォン通りに面して土産物の店を持ち。その3階でサイアムというマッサージ店を開いていた。料金はかなり高いが、非常に清潔な広い健康的な部屋が気に入って、バンコクに滞在したときに私はよく利用していた。

  いつも私を担当したのは、ノイ、トゥアン、ワンの3人で、気さくなイサーン出身のおばさんであった。3人とも日本語を少し話し、暇なときは私の所に集まって世間話をしながら(私は聞きながら)、3人からマッサージを受けるのが楽しみであった。

 バンコクではマッサージの料金が安いので、私にはまさに「天使の都」と云われる通りであるが、彼女たちは給料など無く、2時間働いて歩合が150B(450円)だった。そこで客からのチップが大いに生計を助けていた。

 いくら住みやすいと言っても、バンコクでの住居費や食費などはバカにならない。彼女たちは3人でアパートを一部屋借りて同居していた。 生活費を切りつめ、残ったお金はイサーンへ送金して、両親や子ども達の生活をまかなっているのだ。

 日本のように健康保険も退職金もなく、ただただ家族のために年中無休マッサージで、働いている健気な彼女たちだった。

 三月のある日、サイアムに出かけてみると、店内にいつもの笑い声は聞こえず雰囲気が暗い。聞いてみると、昨夜モンテインホテルに宿泊した、日本人の中年女性にマッサージをしたところ、痛かったとクレームをつけたらしい。早速ワンちゃんがオーナーに呼ばれて、即刻解雇を申し渡されたそうだ。

 彼女は多少の日本語が出来るので、痛ければ痛いと云えば、柔らかなマッサージをしてくれるのに、その時何も言わず、後でオーナーに面会してまでいいつけるとは、まことに持って嫌らしいおばはんだ。

 その一言で職を失ったワンちゃんと、ワンちゃんの稼ぎで生活している田舎の家族を思うと、全く可哀想であった。

 

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マッサージ師の資格は

 疲れた身体を揉みほぐすのだから、誰しもマッサージを受けるのが嫌いな人はいない。
日本人は特にマッサージが大好きな国民のようで、日本人がよく利用するホテルの周辺には、マッサージ屋が必ずあって、次第にその数が増えてくる。

 現地駐在員のおじさんも、その家族も さらには旅行者もマッサージを受けることを、こよなく楽しんでいるようだ。

 お金になるからと、見よう見まねで仕事に就いている人、しかるべき専門校で資格を取って働いている人などもあって、施術の上手な人と下手な人と玉石混淆ではあるが、まあそこはタイ人、何とか出来ればいいか。 と今日も働いている。

 日本の人にも、このマッサージを習得してやろうと挑戦する人が最近増えている。私の友人も3人ほどは、認定証を授与されて日本で働いている。
 マッサージ店のみならず、病院や介護施設での需要が多いそうだ。 私の元同僚の男性も退職後は、京都で専門の資格を取って山科の介護施設で、専属マッサージ師として忙しく働らいている。

 バンコクで正式に技術を習得しようとすれば、涅槃寺にあるワットポーマッサージスクールで学ぶのがいいのだが、この学校は講義がすべて英語なんだなあ。

 それは無理だと云う方は、ワットポーマッサージスクール・スクムミット校という学校がいい。この学校には日本人を対象とした、日本語の講義もあるのだ。 需要がかなりあるそうだ。

 基本コースの講義を30時間を受けて、上級コース30時間へと進む、講義にも技術にもテストに合格しないと先へ進めないので、卒業するのに最低でも10日間~20日間ほどかかるようだ。 さてその授業料は、上級コースまで行って、8万円~10万円と安くない。
  
 しかしここまで進めば晴れて「認定証」の授与となり、タイ古式マッサージの仕事にタイでも日本でも従事することが出来る。

 さらにフットマッサージやオイルマッサージを極めたい人は、それぞれ30時間ずつの講義を受けて7万円ほどの費用が必要になる。

 もっと安い学校も各地にあるのだが、一番権威があって日本でも通用するのは、ワットポーマッサージスクールである。

 マッサージで稼ごうというタイ人には、こんな授業料が払えるわけもないので、名もない学校や見よう見まね組が出てくるのだ。資格なんぞ無くても経験を積んで、素敵なマッサージをしている人はいくらでもいる。

 しかし、このような理屈はタイで通用しても、日本では働くことが出来ない。資格が無くてもうまけりゃあいいと思うのだが。

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隆盛を誇る タイ古式マッサージ

 職員旅行で温泉地に行き、いっぱい飲んだ後で、マッサージでも呼ぶか。と同僚と30分ほど揉んで貰ってそのまま寝てしまったり、何とか健康ランドなどのお風呂の後で、マッサージを受けて、その痛さに耐えきれず、途中で逃げ出したり、マッサージについては色々な思い出がある。

 昔はマッサージが足腰や肩こりの治療として、存在していたように思うが、最近では街なかで料金を書いた看板をよく見かけるようになった。 その看板を読むと60分5000円などと書かれている。昨日も心斎橋で10分800円などと書かれていたので、5000円くらいが相場なのであろう。

 このブログのマッサージは日本ではなくタイでの話だ。ワットポー(涅槃寺)を発祥とするタイ古式マッサージは、タイ人はもちろん日本人にも絶大な人気を博していて、その店は各地に雨後の竹の子のごとく増え続けている。 バンコクだけでも店の数は200店は確実に超すであろう。

 このタイでマッサージをしてくれる女性のほとんどは、北タイや東北タイからの出稼ぎの人たちで、田舎に子どもを残して、おじいちゃん、おばあちゃんが面倒を見ている事が多い。

 確実に日銭が稼げるマッサージは彼女たちにとって、過酷ではあるが無くてはならぬ収入源だ。最近特に感じるのだが、日本の女性客が老若を問わず爆発的に増えてきた。昼下がりに店にはいると、女性の日本語が飛び交い、嫌でも会話の内容が聞こえてくる。  

 ここはどこの国なのだろう、などと思いながら、気の弱い私などは、日本人客に遠慮して、ただただ無言でマッサージを受けることが多い。

 マッサージを受ける部屋は小部屋の場合もあるし、広い部屋で客との間をカーテンで仕切ってある場合も多いが、照明を落として冷房が効いているベッドで受ける2時間のマッサージはたまらない。

 マッサージの料金(普通は300バーツ)は、ほとんどの店では終わった後、一階の受付にて自分で支払うのが通例である。

 日本でマッサージを受けると、2時間で 10,000円位はするが、バンコクでは2時間で 900円が普通だ。もちろんツアーで行く場合や自称有名店は、かなりの料金らしいが、高けりゃあいいと云う物ではなく、自分の身体に合わなければ何にもならない。 これが地方の町に行くと2時間で600円となるからありがたい。
  
 マッサージを終えるとチップをどうしよう。 などと迷う人もあるようだが、私は100バーツ(300円)位を、施術してくれた女性に渡している。

 また、マッサージの料金が明示されている場合はよいが、書かれていない場合は、2時間でいくらかを確認しおくことが大事であろう。マッサージを終えた後法外な料金を請求されないためにも気をつけた方がよい。
 
 バンコクはもとより、どんな田舎の町に行っても、こんにちは、痛いですか、気持ちはいいですか、などの日本語は話せる。いかに日本人が色々なところでマッサージを愛用しているかがよく分かる。
 

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