ノンタブリー

公共交通機関が発達した

  私がタイに行き始めた頃のバンコクは、交通渋滞が世界的に有名で恐ろしい都市であった。日帰りでサメット島へ行き、エカマイ(バンコク東バスターミナル)からホテルまで帰ろうと思うのだが、世界の五指にはいる渋滞には。思い知らされたものである。

 まだ電車がないときなので、タクシーかバス以外には交通手段はなく、乗ったバスが10メートルほど進むのに1時間はかかった。では歩けと言われるかも知れないが、ホテルまでは概算12㎞もあり、ホテルで帰りを待つ仲間のことを考えると地獄であった。

 それが10年前に高架電車(BTS)ができ、6年前に地下鉄まで出来て、バンコク都は電車によって縦断、横断路線が完成した。昔の地獄を思うとまさに隔世の感がする。

 最初BTSが出来て運行し始めた頃は、料金がバスより高いと言う理由でガラガラの状況だったが、その後スムースな移動が評価されて今では空席を探すのが難しいほどの繁盛ぶりである。

 このBTSは朝6時に始発電車が走り始め、24時まで走り続ける。そして運行間隔は5分ごとで、朝夕のラッシュ時は3分間隔となる。こうしてBTSも地下鉄も大入り満員で結構なことである。

 BTSがシーロム通りを走ってチャオプラヤ河まで来ると、大河チャオプラヤには水上交通のエクスプレスボートが待ち受けて、王宮、エメラルド寺院、ワットポー、あるいは暁の寺へと高速で客を運んでいる。

 高架電車の駅はサパンタークシンとう駅名で、ボートの船着場の名はサトーンである。同じ所にあるのに駅名が異なるのは、チャオプラヤ河に架かっている橋がタークシン橋、その隣で同じ方向に走っている道路がサトーン通り、というだけで気まぐれから命名されたようなものである。

 このような経過を辿って、有名な渋滞も若干は緩和され、首都らしくなってきた。

 電車からボートに乗り換えて上流(右方向)へ行くと、観光客は希望する観光地の桟橋で次々に下船して、乗客は少なくなっていく。サトーンから1時間も経った頃、それまでの都会の風景は一変して、河は田舎の様相に模様替えをする。

 それから暫くすると、少し町らしい建物が見え始めボートの終着、ノンタブリー桟橋で下船となる。このノンタブリー桟橋はバンコクではなく、北隣のノンタブリー県の船着き場である。

 ここから更に北上するならば、有名なアユタヤへ行くことができるが、一般のボートはすべてノンタブリーが終点で、乗船料は距離制なので最高でも80円くらいでここまで来られる。ボートの振動が心地よく、よく眠れること請け合いである。

 ノンタブリーの桟橋から3分も歩けばかなり大きな市場があり、食料品など品揃えが多く、かなりの見所がある。

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