パークレット

パークレットの町は

 バスを降りると直射日光が襲いかかってきて、目がくらみそうになる。
今乗ってきたたバスはノタブリーの桟橋前と同じようにUターンして去っていった。

 他の町と大きく違うのは、歩道がシートで覆われていて、日差しは避けられるものの蒸し風呂の状態になっている。
 この蒸し風呂のなかで、バナナを焼いたりお菓子を作ったり、いろいろなお店が開かれているので、よほどの覚悟がなければ落ち着いて買い物などは出来ない。

 こうしてみると、こんな条件の中でも働けるタイ人は、人間のできが違うのだろう。
煙をもうもうと出しながら、ガイヤーン(焼き鳥)を炭火で焼くオバサンの顔には汗一つかいていない。顔を見つめていたら、オバサンはこれ買うかい、とニヤリとするが、鶏はとてもとても。

 暑さのトンネルをくぐって先へ進むと、チャオプラヤ川に突き当たり、そこには船着き場があった。そこから対岸に向かう渡船があり、簡単にわたれそうだが、パークレットから大きく迂回している陸続きの集落のようだ。 目指す島ではないので、対岸の探訪は次の機会に残しておこう。

 左前方にも集落やお寺などが見える。 よくよく考えるとチャオプラヤ川が大きく蛇行してできた地形の根元の部分が掘削されて、取り残された卵形の島ではないか。 そうだ島に違いない。ここへ渡ってみよう。

Photo 今度は島らしきところの前面にでるため、川に沿って歩き始めた。スラムのような所を抜け、学校を眺めながら、川に近寄ると行き止まり。

 その横にちっぽけな中国の寺院があって、村の青年男女が踊りの稽古をしていた。

 疲れていたので、休息ついでに見ていたら、外人が見ているとばかりに、俄然熱心に稽古を再開した。

 一区切りついたので、川の向こうへはどう行けばいいの。と聞いてみると、一斉に進行方向を指さして、ワットワットと教えてくれた。

 そこはなんて云うの。と更に聞いてみると、「コクレット」 何とノンタブリーのオヤジが云ったのと同じではないか。 プーチャーチャーカップ(ゆっくり話してください)と聞き直してみると「コークレット」だそうだ。 つまり川の中に出来た、クレット島という島だった。

 そうか。もう少し行けばお寺があって、そこに橋か船かの渡る手段があるのだろう。現金なもので急に元気になって島を目指すことになった。

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バスの終点はパークレットだった

 ノンタブリーの桟橋前にやってきてUターンしていくバスは、数珠繋ぎになって続々と出ていく。その中から32番を見逃さないように気を配るのだから大変だ。
 ちょっと待て、停留所がない。

 川の桟橋に向かってきたバスは、徐行はするが停車すると大渋滞になるので止まらないのだ。人の動きをまねて動かないとしゃあない。なんと太陽の照りつける細い歩道が、200メートルほどにわたって、ぜーんぶバス停扱いだ。

 要するにどこでもいいから、目的のバスが来たら無理にでも徐行させて、乗ればいいのだ。 とはいうものの、縦に数珠繋でやって来るバスは、行き先表示が非常に見づらいので、動くバス1台を探し出して乗り込むことはかなり難しい。
 
  無い知恵を絞ってみたら一つ方法が見つかった。対向車線の桟橋に向かう車列を見ていれば、32番の色や特徴が記憶できるので、その特徴のバスを待てば32番の可能性が高いのだ。

 照りつける太陽に焦がされながら、奮闘努力のかいあって、行き先不明の32番のバスに乗ることが出来た。 もちろん冷房とは無縁のバスである。

 来るな来るなと願っていた車掌が切符を切りにやってきた。私の行き先はどこでしょう。 
一応 「終点まで行く」 と答えて切符は買ったのだが、そこがどこなのか分からん。

 30分位も乗っただろうか、バスが停車して動かない。もう終点かと思ったが、そうでもなさそうだ。しかたなく下車をして前へ回って行き先表示板を見ると、表示板の文字は読めないが、板の色が赤色だ。赤色は終点には行かず折り返し運転をするバスなのだ。

 少し待つと新しく32番がやって来た。今度は表示板の色は紺色(正規ルートを正常に走るバス)だった。 バスに乗るだけでも色々と勉強である。

 女性車掌に改めて終点はどこですか、と尋ねてみると返事は一言「パケット」。 なんじゃあそれは。なんだかんだあったが、それでも到着できた。女車掌が云った「パケット」 は正しくは パークレットだった。

 


 

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