ナコーンパトム

帰りは怖い バンコクの渋滞

 樹木の恵で涼しい公園を後にすると、また灼熱の道路を1㎞あまりも歩かねばならない。中心街の象徴でもある仏塔(チェディー)までたどり着き、日陰の芝生で考えた。 

 チェディーの近くにある国鉄の列車で帰る手もあるぞ、駅まで行ってみると次の発車は15;55分これに乗ると1時間20分でトンブリー駅に到着するが、ファランポーン駅には行かない。Photo_3

 悩んではみたが、冷房のない灼熱の車内、堅い椅子などを思うと、足は冷房バスがいと主張するので、復路もバスにした。

 バスは冷房で快適、発車時には半数くらいの空席があったが、次第に乗客が増えていく。 どこを走るバスでも、ターミナルを出てしばらくは徐行して乗客の増加につとめる。

 間もなく一人の僧侶が乗ってきた。大体お坊さんの座る場所は前の方と、暗黙の慣わしがあるらしい。 と、その時私の横に座っていたおじさんがサッと立ち上がって僧侶に席を譲った。と言うことは俺の横がお坊さん。捕って食われることはあるまいが、異質な人種のような気がして緊張する。

 更にしばらくして若い母親が二人の娘を連れて乗ってきた。見た感じ6才くらいと3才くらいだな。今度はオバサンが立ち上がって席を空けた。そのオバサンは後ろの席に割り込んで三人掛けに甘んじた。

 母親の膝の上には、お姉ちゃん娘がだっこされてすぐに眠り初め、妹娘は前に座っていた見知らぬお姉さんに引き取られて、夢の中に入っていった。このように坐席を譲ろういう行為を、タイ人はごく自然に実行すことが出来る。

 更に妹娘をだっこした、見知らぬお姉さんの下車が近づいてくると、その動きを見た車掌は、さも当然のごとく静かに妹娘を受け取ってだっこした。タイ人は、根が子ども好きでお節介な所もあるだろうが、とても優しい民族なんだ。

 お姉さんの下車をする気配に、目を覚ました妹娘は眠そうな目をこすりながら、降りていく見知らぬお姉さんに、紅葉のような小さな手で感謝のワイ(合掌)をした。3才くらいな子どもでっせ。母親のしつけをしっかり見せて頂いた。この小さな子どもが車内の気持ちを本当に和ませてくれた。
  
 と、云いながら日本のタイスキおじさんは、知らぬ間に眠ってしまったらしい。気がつけば隣の袈裟を纏ったお坊さんの肩に、頭を預けて居眠りをしていた。

 このバスが、サイターイ(南バスターミナル)に到着して都バスに乗ったのだが、渋滞で遅々として進まない。

 ホテルまでの所要時間に2時間を要した。往路は20分だったのになあ。げに、バンコクのラッシュアワーは恐ろしい。

 夕方近くになると南バスターミナル付近の渋滞は、慢性化していて絶望的である。  公共交通機関を利用して、などと甘く考えるとひどい目に遭うことになる。最初から諦めてタクシーで逃げ出す方がよさそうだ。

 そのタクシーは走りやすい抜け道や、遠回りをして先を急ぐから料金だけは高くなるが、それでもかなり時間はかかるようである。

 やはり汽車であったか、後日調べてみると、ナコーンパトムを15:19に出る汽車はトンブリ に16:30 の到着。 15:55 に発車する汽車は17:10トンブリ着である。トンブリ駅からチャオプラヤ川までは少し歩かねばならぬが、川を下るエキスプレスボートでBTSに乗り継ぐのが一番賢明かも知れない。

 

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近郊の町 ナコンパトム

 暇が出来ると知らないところへ行くのが面白い。タイの交通機関は飛行機をのぞけば、道路網が発達しているのでバスが一番便利である。料金も日本とは比べようもないほど低料金だ。

 大体1時間走ると、その料金は30バーツ(100円)くらいと考えてよい。バンコクの大きなバスターミナルへ行って、料金表を見て オッここは50バーツか。  じゃあ片道1時間30分として日帰り圏内だ、行ってみるか。

 こうして私は近郊の知らない町を、探訪してみる事がよくある。 ナコーンパトムの町もバスターミナルへ行ってから料金表が32バーツであることを確認して、日帰り圏内の町としてスタートした。

 ナコーンパトム行きのエアコンバスは、南バスターミナルから20分毎に出発していて田舎道を走り続けて約1時間で到着した。 このナコーンパトムと言うのは、「最初の都」との意のようである。

Photo  ナコーンパトムには、インドシナ半島では最大(高さ120メートル)の仏塔が建てられている。

 これがモン族の都で有名な「プラパトムチェディー」 である。 なるほどこの塔は下から見上げると首が痛くなるほどであった。
 
 ちょうどこの日は町の儀式的な行事があるらしく、参拝者はもちろん社会見学の生徒、軍隊や警察官、消防士、病院関係者で埋め尽くされていた。

 生徒達の集まりを眺めていたら、数人の生徒がコンイープンと (日本人) 云いながら、はにかむ一人の女生徒を連れてきた。この生徒は4月の夏休みに大阪へ行って来たそうで、みんなにはやされながら、二人で写真を撮ることになった。
 
  写真を撮って照れるのは私の方で、彼女は堂々としたものである。 タイでは高校でもミス○○高校との美人コンテストが行われるお国柄なので、中学生でもみんなの中に立つことなど何のてらいもなく、笑顔を見せていた。

 チェディーを後にして、露店を冷やかしながら西へ歩くが、今日もことのほか暑い。バナナの揚げたてを ほおばりながら歩くので、一段と暑さがこたえる。そしてかなり歩いて迷子、いや迷爺となる。

 バイクに子どもを乗せたおじさんを呼び止めて、サナームチャン宮殿へはどちらへ行けばいいですか。と方角だけ聞いて、炎天下を歩き続けるのだが、迷子状態はまだ続き、通りがかりの警察官に再度尋ねて、念願のサナームチャン宮殿に到着することが出来た。

Photo_2  サナームチャン宮殿は広い公園の中にあって、、小さな本当に可愛い童話に出てくるような宮殿で、ラーマ6世の離宮である。これは十分来た値打ちがあった。
公園の木々の間にとけ込むような、薄いピンク系統の宮殿なので、遠足に来ていた子ども達も大喜びしていた。

 私は産まれて初めて、ドリアンなるものを買って食べてみようかと、かなりの量を買い求め口にしてみた。 これが果物の王様とも云われるドリアンの味か。匂いのきついどろっとした触感は、とてもじゃあ無いが食べられない。

 こんな変な果物が出てくる6月を、待ちわびている人が沢山いることが不思議でしかたがない。さて、このドリアンはゴミ箱が見あたらないため後始末に困ったが、公園の清掃をしていたオバサン2人に、処分をお願いした。 
 
 公園内のトイレに入ってみた。やはり全国共通の2バーツ(約6円)で、ここでも番人が必ず見張っている。この2バーツを守っている番人が5才くらいの女の子で、目がくるっとして大きく、何とも云えない可愛さだった。

  話しかけても黙って微笑むだけ、何枚か写真に納めてお礼に日本のキャンデーを一袋渡すと、小さな手でワイ(合掌)をしてくれた。帰国して写真ができあがって見ると、やはり愛くるしい子どもだった。

 たった一人で何時間も、寂しい公園のトイレで、いつ来るか分からない客を、待つことが出来るって感心な番人ではある。

 

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