ブンナムラック村

弟にくっついて始めた旅は

  弟の旅の始まりは、よくは知らない。 ただ大学時代から東南アジアへの旅は始まった。
今はタリバンに破壊されてしまったが、アフガニスタンの石窟寺院の仏像の前で撮した写真からみて、そうとうあちこちを巡り歩いたようである。

 その後、稲作文明に興味を抱き、最終的にはタイが主体となって、その旅は今でも続いている。
 彼が最初にタイへ行き始めた頃、目的は定かではないが、一人でバンコクの北にあるブンナムラック村の近を歩いていたそうだ。

 今日は弟と共にエアポートバスを利用してドムアン空港へ行き、車をチャーターして、プラトムタニ県ブンナムラック村を訪れる予定である。

 農村地帯の直線道路を走るのだが、何と遠いのだろう。行けども行けども同じ田園風景が続き、道路の両脇には沼があって、しばらく行くと運河の橋を渡る。
 牧歌的な風景の中にある橋をいくつ越えたか、クローン(運河)のナンバー12が目的地であった。

 しばらく探して、ソンブンの家を見つけることが出来た。以前からソンブンの名前はよく聞いていたが、それが女性であるとは知らなかった。

 弟がまだ大学生であった頃、田舎の生活に興味を抱き、こんな遠い田舎まで来て、道ばたで出会った若い娘さんに話しかけ一夜の宿を請うたことが元で、一家の人たちとの交流が始まった。

 何度か村を訪ねるうちに、ソンブン一家はもちろん、村人たちとも運河で泳いだり魚を捕ったりするうちに、その村にどっぷり浸かってしまったそうである。

 そんなことを聞くにつけ、初めて逢ったこの家族に心からの親しみを感じ、弟の人生に大きな影響を与えてくれたことに感謝した。

 家で休息した後、トラックに乗ってソンブン家のオレンジ園を見に行った。まことに広い農園は畝と畝の間が運河のようになっていて、小舟がないと農作業は出来ないのだ。

 このオレンジ園の他にはバナナ園や椰子園まであったのには驚いた。
農園から帰った後は、美味しい昼食が待っていた。お爺さんお婆さんをはじめ、親戚まで集まって、
大歓迎を受けた。

 昼食が終わって家を辞す事にしたが、ソンブンはライトバンを用意、家族4人が同乗して遠いノンタブリーまで送ってくれた。 タイの人々の心の広さを垣間見せて頂いた一日の旅だった。

 

 

 

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